大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)966号 判決

本件記録を精査するに、被告人に対する逮補状が昭和二十五年十二月十五日附を以つて又被告人に対する勾留状が同年十二月十八日附を以つて孰れも足立簡易裁判所裁判官長谷川酉次郎の署名捺印の下に発しられて居り、本件起訴は同年十二月二十二日提起せられ、これが審理裁判は同裁判官により為されていること極めて明らかである。

所論によれば右は刑事訴訟法第二百五十六条第六項刑事訴訟規則第百八十七条第一項但し書に違反するものの如く主張するのである、然し乍ら刑事訴訟規則第百八十七条第一項但し書の規定は同条本文規定の例外を規定したものであつて、換言すれば公訴の提起があつた後第一回の公判期日迄の勾留に関する処分は被告事件の審判に関与すべき裁判官はこれを為し得ないと謂うに止まる。然るに本件長谷川裁判官の為した勾留に関する処分は公訴提起前のものであるから右規則の条項に違反するものと謂うことができない。又起訴状に裁判官をして事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添付し又はその内容を引用した事実もないから刑事訴訟法第二百五十六条第六項に違反するものとも謂うことができない。論旨は孰れも独自の見解であつてその理由がない。

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